05年 3月 新萩市の初議会
暫定予算への反対討論
合併は財政削減と中央集権化が目的
サービス低下 負担増
宮内きんじです。萩市一般会計暫定予算に反対します。
今回の市町村合併は、地方自治の発展のためではなく、地方自治体のリストラによる財政削減と中央集権化を図るものです。 その先には、どんなねらいがあるのでしょうか。憲法改正、特に9条の改正論議とあいまって、再び、人を殺したり殺されたりする社会の到来が垣間見えてきます。地方自治体の再編統合による中央集権化が、それと連動していることが想像できます。
アメとムチで 押し流した
1市2町4村の合併では当初、サービスは高く負担は低くなるということが、政府の宣伝と同じようにまことしやかに言われてきました。さらに、行財政基盤の強化、足腰の強い自治体をつくるためということも言われ続けてきました。不透明な「三位一体改革」などという自治体財政の切捨て削減の攻撃ともあいまって、あめとむちにより、無理やり、合併の方向に押し流されたという状況です。
地方自治の本旨を否定 合併が目的に
そこには憲法の地方自治の原則やそれに基づく地方自治法にある地方自治の本旨である団体自治と住民自治が否定されています。合併することが目的にされ、合併するためには何でもありの手法も取られています。町づくりについての議論がほとんどなされていない現状が、それを証明しています。
サービス低下は 早くも現れている
合併直後のこの暫定予算においては、サービスは高く負担は低くなる、行財政基盤の強化がはかられるということがどれだけ現れているでしょうか。
子どもの医療費 無料制度の後退
合併による住民サービスの低下は、例えば子どもの医療費の無料制度が、須佐町において小学6年生から、小学校に上がる前までに大きく後退しています。
保育料も
保育料についても第2子から無料になるというものの、負担増になる住民がたくさんいます。
診療所医師もいなくなる
さらに、合併を契機に住民の命と健康を守ってきた弥富診療所の医師が退職し、現在常駐の医師がいなくなりました。まさに合併が真っ先にもたらした大きな後退でした。
旧自治体独自の施策もなくなる
そして数年後には、旧自治体ごとにあった様々な独自施策が、均衡と一体化という名の下に廃止されることが予想されています。
施設使用料での負担増がすぐに
また負担についても、各種団体の公共施設の使用料などで条例化されているものは厳格に適用するということで住民への通知が行われ、明白に負担増が現れています。
地域経済への影響も
さらに地域経済への影響も、行財政の一元管理により大きく懸念されています。
平均化で廃止は 悪条件だけ残される
条件の不利な地域だからこそ、それぞれの状況にあわせてその克服のために行われてきた施策が平均化され廃止されたのでは、悪条件だけが残されることになります。これでは、地域の均衡ある発展にはつながりません。自治体内での人口流動が激しくなって、周辺部の過疎がいっそう激しくなることが心配されます。
約束違反と映るのは 確実
サービスが向上するものもあることは確かですが、サービスは高く負担は低くという合併前の宣伝からすると当然のことであり、住民にとってはサービスの後退、負担の増高が、約束違反とうつるのは確実です。
暫定予算においては、政策的な方向性は示されていませんが、これまでの合併協定などを通じて、明らかになっていることをもとに議論させていただきました。財政運営や主要事業などにまだまだ不安が残されていますが、それは通常予算の提案後に検討したいと思います。
通常予算では 不安解消を
通常予算においては、中心部主義、周辺部の切捨て、過疎への拍車などへの不安、住民サービス低下、負担増への不安などをきちんと解消される予算が提案されることを望みます。
住民自治の促進のための施策を
そして、合併して大きな町になった今後の課題として、地方自治の本旨の大きな柱を構成している住民自治がいっそう推進されるような手立て、コミュニティー活動、地域住民の共同活動を促進する施策を講じられること、住民の福祉を向上させること特に住民の暮らしに密着した予算を何よりも優先させることを期待しておきます。
住民が主人公として 大切にされる自治体に
これからの新しい萩市が、旧市町村のそれぞれの特徴を活かし、長所を互いに吸収し、住民同士の親密な交流をはかり相乗的な発展がすすむことを願っています。 行政は、周辺部にいたる隅々まで住民の声、要求に耳を傾け、住民が主人公として大切にされる自治体作りに努力されることを望みます。 不安の声を代表して 以上、市町村合併における住民の不安の声を代表して、反対討論とします。